先日7月28日(日)~ 8月3日(土)、米国での世界貿易センターの被災者達で結成された911家族会(September 11 th Families’ Association)米国日本人医師会が東日本大震災の被災地で、福島県ふたば町、富岡町、南相馬市、郡山市、宮城県石巻市、雄勝町などを訪問し、今回で8度目となるピアサポートを通じた被災者支援を行った結果をお知らせします。
主な行事
1. 東日本大震災3.11被災者と米国同時多発テロ9.11家族会の心の交流
米国同時多発テロによって沢山の同僚や家族を失った9.11家族会メンバーら4名が、被災者との対話を通じて、その悲しみを共有し、また、自らの体験からその悲しみをどのように乗り越え、未来に向かって歩きはじめたかについて東北の被災者に語りました。
911同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービルの800m先にあったStuyvesant高校の当時の教員と学生も参加し、その体験を生かした様々な活動、当時の心境を演劇にしたWith Your Eyesも紹介されました。
米国から災害精神科医や子供の心理カウンセラー、また9.11や3.11、ほか世界の大惨事の対処について更に学んでいる米国の医学生2名と中学生も同行し、総勢11名で日米の被災者同士で復興に向かう勇気とその心構えを共有をしました。
福島県立医科大学、福島県相馬市「相馬広域こころのケアセンターなごみ」と福島県南相馬市仮設住宅住民、福島県立ふたば未来学園、中間貯蔵施設、宮城県大川小学校のご遺族や日和幼稚園ご遺族と雄勝ローズガーデンや宮城県石巻市「震災こころのケア・ネットワークみやぎ からころステーション」などを訪れました。
被災者が話しやすい環境を作り、お互いに学びあえるこのプログラムは2015年にJapan Center for International Exchange から3/11の復興事業の中で世界のモデル事業4選に抜擢されています。
http://jcie.org/researchpdfs/311/311_InnovativeCases.pdf
2.広島-NY-福島、日米つなぐ命の絵本「サダコの折り鶴」
震災後の影響が様々な形で現れている被災地の子供たちに対し、9.11と3.11をサダコの折り鶴が繋げるストーリーを長崎出身の本多恵理氏がNYで書き上げ、ロータリーが福島から出版した絵本の第2版を紹介します。絵本は9.11と3.11の被災者らが、国や文化の違いを超えて佐々木貞子の折り鶴によって結ばれ、励まされるという内容で、命の大切さを教えます。協賛団体の協力を得て、福島県内の図書館、全幼稚園、全小学校に一万冊が寄贈されています。既に英語に翻訳され米国でも図書館や幼稚園に寄贈されています。今回第2版は更にスペイン語に翻訳され、スペイン語を母国語とする子供達にも配布される予定で、震災を次の世代に伝えていくことに有効と思われます。2012年に寄贈された「復興の折り鶴」は、911同時多発テロで崩壊した世界貿易センタービルの鉄骨で制作されました。復興への勇気と希望を念に作られ、海外から被災地復興に寄贈されたモニュメント第1号として、福島県郡山市にあります。
https://www.city.koriyama.lg.jp/shiseijoho/kokusaikoryu_toshikankoryu/2/kokusaikoryu/9521.html
第8回目の訪問中には以下の視察、交流、被災者支援活動などが行われました:
- 鈴木満先生 NPOこころの架け橋岩手の現状報告
- 川内村いわなの郷 訪問
- 富岡311を語る会による富岡町内ガイドツアー
- 福島県立ふたば未来学園の学生らと交流
- 福島県開成山公園 復興の折り鶴 記念碑への訪問
- 福島県郡山市 品川市長 表敬訪問
- 福島県立医科大学 国際交流センターとの意見交換会
- 東北大学 災害国際研究所 災害精神医学富田博秋教授らと座談会
- 宮城県石巻市雄勝町字味噌24-4ローズガーデンにて9.11と3.11被災者同士の交流
- 震災こころのケア・ネットワーク みやぎ からころステーションで被災者らとの対話交流会
- 石巻市 川開き祭り 東日本大震災供養
- 福島県相馬市伝承鎮魂祈念館 訪問
- 福島県南相馬市仮設住宅住民と交流会
- 福島県南相馬市 相馬広域こころのケアなごみ 南相馬事務所訪問、なごみスタッフ、関係者らと意見交換
- 福島県立医科大学にて医学部学生らとの座談会
- 渡辺 博道 復興大臣に表敬訪問 表敬
- 奈良春日大社 朝拝 被災者の復興祈願
- グローバル補助金 実践例の紹介 立命館大学 京都朱雀キャンパス
このプロジェクトを支えてくださった方々、及び協力していただいた皆さま、 本当にありがとうございます。
訪日者
Meriam Lobel 9/11 Tribute Museum元館長
Jeanette Gutierrez 世界貿易センター生存者
Annie Thoms 世界貿易センター目前のStuyvesant高校の英語教員、9/11被災後、学生らと舞台劇 with their eyesを監修
Nat Towsen 世界貿易センター目前のStuyvesant高校の当時高校生、学内新聞Broken Escalatorを監修
Craig Katz 医師 NYマウントサイナイ医科大学国際精神科 教授
柳澤ロバート貴裕医師 マウントサイナイ医科大学 内分泌科内科 教授、米国日本人医師会 会長
Anna Stacy NYマウントサイナイ医科大学 医学部生 福島県立医科大学に2ヶ月留学中
Marcia Lange NYマウントサイナイ医科大学 医学部生 福島県立医科大学に2ヶ月留学中
Joyce Grossbard 臨床心理士 RI7490地区 Englewood Rotary Club, NJ USA
柳澤育代 RI2650地区 元Englewood Rotary会長、現在 奈良ロータリークラブ
Lev Katz Riverdale-Kingsbridge Academy in the Bronx、NY中学2年生、災害医療に協力
主催
福島県 郡山西ロータリー、米国日本人医師会(JMSA)
協賛
国際ロータリー2650地区(京都、奈良、滋賀、福井)、米国 Englewood ロータリー、豪州キャンベラロータリー、アメリカン航空、米国マウントサイナイ医科大学、福島県立医科大学
後援
外務省在ニューヨーク日本国総領事館、日本国復興庁、ジャパンソサエティ(NY)、ジャムズネット(JAMSNET)、911家族会(September 11 th Families’ Association)